教師のための統計入門-182/233page
ところで,この( )内の交項級数は,条件 A を満たしているでしょうか。もし,満たしていれば,項打ち切りによる誤差の評価ができます。
( )内の交項級数の第 n 項と第 (n+1) 項とを,それぞれ un un+1 とすれば,
ここで, t は高々4ぐらいまでの値ですから,nをある程度大にすれば,2)の右辺を1より大にすることができます。実際
t=1,2のときは n≦1 で
t=3 のときは n≦4 で }……3)
t=4 のときは n≦7 で
2)の右辺は 1 より大になり,条件 A を満たすことがわかります。したがって,これらの項以上までの和を取れば,項打ち切り誤差の評価ができますから,あらかじめ,項打ち切り誤差の大きさεを決めておけば,その大きさが,εより小になる項(かりに un+1 とする)の一つ手前の項 un、まで,この級数を計算すればよいことになります。
なお,計算に際しては,次の漸化式
un+1 = un ×t2(2n-1)/2n(2n+1)
を用いて,次々に項を求めるプログラムを作り,項打ち切り誤差が,εより小になる項 (un+1) の一つ手前 un まで,この級数を計算するようにします。
なお,上側確率の%点を求める場合,初めは,大体の値を予想してきざみを大きめに取り,求める%点の近くの値を見つけます。次に,その点の近辺で,更にきざみを小にして求める%点に最も近い値を求めます。これをくり返して,小数点以下の必要桁まで計算します。この方法を,今後"手さぐり法"という