教師のための統計入門-200/233page

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はじめて,良いアイディアであることが判定されるので,それまでは,良いアイディア(と思われるもの)の域を出ないのです。

さて,良いアイディア(と,思われるもの)が生み出されたこの段階まできますと,真に自分が,何を,どのようにして研究しようとするのかが明確になってきます。ここで,前に,仮りに設定した研究主題を再検討し,最終的に研究生、題を設定します。

そして,この研究主題に対する解決策(アイディア=新しい指導法)が仮説といわれるものにほかなりません。しかし,ふつう,仮説という場合には,これを次のような文章形式で表しています。

問題場面において,こういう解決策を施せば,こういう効果があるであろう。

しかし,仮説は,無理して文章をいじくりまわし,上のような形式にまとめあげなければならないというものではありません。要するに,解決策が,明確に,具体化されていればそれでよいわけです。

次に,仮説の設定に際しての留意事項をあげておきます。

(1) 学習指導上,当然やらなければならない当たり前のことは,仮説にはならない。

(2) すでに,当たり前になっていること,当然そうなる,とわかりきっていることは仮説にはならない。ただし,追試を目的とするなら意味はある。

(3) その仮説の効果を,何で測るのか,何で判定するのか,その効果の測定法,判定法をあらかじめ決めておかなければならない。

(4) 解決策が,Aを施こしBを施し……Gを施す,のように,沢山の方策を重ねたものであると,どの方策が有効であったのか判定できないので,有効と思われる方策の数は,できるだけしぼって少なくする。

仮説の効果を判定するための代表的な方法としては,一群法とニ群法とがありますが,いずれの場合も,仮説を授業におろし,その結果を検討することになります。それで,次には,仮説を授業におろす場合の留意点について述べ,その後に,仮説の効果の判定法について述べることにします。


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