教師のための統計入門-201/233page

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3. 授業の実施について(その留意点)仮説を授業(実験)におろす場合に大切なことは,仮説が,授業のどの部分に具体化されておろされているかが明確になっていなければならない,ということです。それで,どこに仮説がおろされているのかが,一見してわかるような指導案を書いて授業(実験)を行うべきです。

なお,このような指導案を書く場合に,福島県教育センター紀要第39号,「2-1-2方式の授業研究」が役立つと思いますので,参考にしてください。

4. 仮説の効果の判定について

すでに述べましたように,仮説の効果を判定する代表的な方法として,一群法と二群法とがあります。それで,以下に,この二つの方法についての仮説の効果の判定法と,データのまとめ方について説明することにします。

(1) 一群法について

一群法というのは,仮説を一つの学級におろして,その効果を判定する方法です。すなわち,その仮説を授業におろす前(事前)と授業におろした後(事後)の,その学級の児童・生徒の変容から,その仮説の効果を判定しようというものです。

この児童・生徒の変容は,仮説によってその内容はいろいろ異なるわけですが,前もって,仮説の設定時に,それを何で測るか,判定するか,を決めておかなければなりませんでした。

この変容をとらえる(ということは,仮説の効果を判定する,ということでもありますが,その)ための最も一般的なものさしとしては,事前テスト,事後テスト(注参照)などの結果や,これらから得られる有効度指数,これと事後テスト,把持テストなどの結果やこれらから得られる把持率などがあります。

また,例えば,仮説によっては,事前,事後の児童・生徒の意識(アンケート調査による),作文の内容,ノートの状態,宿題の提出状況などの比較や,仮説をおろした何時間かの授業での生徒の反応の観察記録なども,変容をとら


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