教師のための統計入門-207/233page

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まとめたものですがこれにとらわれず自分でいろいろ工夫してみてください。

一群法での仮説の効果を数量的に測るものさしとしては,以上説明した事前テスト,事後テスト,把握テスト等の正答率,有効度指数や把持率のほかに,仮説によっては,事前,事後に実施したアンケートの回答内容の変化の検定なども有効です。なおこれについては,基礎編p119の前後の変化の検定をごらんください。

(2 二群法について

二群法というのは,真に仮説が有効であるかどうかを判定するために,まず等質な二つの学級を選んでおき,一方の学級(実験群)には仮説をおろした授業を一定期間実施し,他方の学級(統制群)には従来どおりの指導法による授業を同じ期間だけ実施します。そして,その後,両学級に同一問題で事後テストを行い,その結果を比較して,仮説の有効性を判定しようとする方法です。

この場合,仮説以外の条件は,両群で同じになるように注意します。

二群法では,まず、仮説を授業におろすに先だって,二つの等質な学級を選ばなければなりません。等質な学級とは,いろいろ難しいのですが,実際上は,それまでの当該科目の学力テストの平均点が等しい,知能テストの平均点が等しい,男女の割合がほぼ等しい,と考えられる二つの学級とします。しかし,場合によっては,それまでの当該科目の平均点と,男女の割合だけで等質群を編成してもよいでしょう。

ところで,二つの学級がそのまま等質であればそれでよいわけですが,ふつうは,なかなかそうはいきません。

そうでない場合には,「つり合い法」によって,各学級の中に等質な部分集団を編成します。これは両方の学級から,成績のほぼ同じもの(つり合うもの)の対をできるだけ多くとって編成するものです。つまり,実験群とは,仮説をおろした授業を実施するA学級の部分集一団であり,統制群とは,従来どおりの指導法による授業を実施するB学級の部分集団であって,それらは,名簿の上だけで編成されるものです。(両群の人数は,違っていてもかまいません。)

そして,各学級でそれぞれの授業を実施し,事後テストの結果については,


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