教師のための統計入門-213/233page

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(仮説の効果の検定……母比率の差の検定)

(注)  *……危険率5%で有意差あり

   **……危険率1%で有意差あり

4) 二群法での,その他の(仮説の効果の)検定

1) 実験群,統制群を、さらに「つり合い法」によって上位群,中位群,下位群にわけ(対になる各群に対して,それぞれ等質であることの検定が必要),事後テストの結果,仮説がどの群に効果があったかをみるために,上立群どうし,中位群どうし,下位群どうしで,それぞれ母平均の差の検定を行う方法もあります。

2) 二つの学級をそのまま実験群,統制群とした場合(等質であることの検定を行わない場合)など,両群が必ずしも等質とはいえないときには,各小問ごとに有効度指数を求めてこれを比較し,仮説は効果があるようだとか,あまりないようだくらいのまとめはできます。仮説が学習事項の定着に関するものでしたら,把持率についても同様の比較ができます。

この場合は,各小問について,有効度指数や把持率の差が著しいならば,仮説の効果についての説得力は大きくなります。ただ,有効度指数や把持率というのは,平均値や正答率とは異なるものですから,その差の検定は考えられず,その差が有意の差(偶然によっておこる差ではなくて本質的な差,この場合は,仮説の効果による差)であるのかないのか見極めることはできません。

(3) 仮説の効果の判定についての留意事項

実験的教育研究法では,一応自然科学の方法にならって,仮説の設定→実験→仮説の検証という形式をとるわけですが、何分,実験の対象が人間(児童・生徒)であるために,いろいろと複雑な要素がからみ合っていて,自然科学のように実験に


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