研究資料分類基準G2-04高等学校社会科「現代社会」の研究-002/170page
そこで,担当教師の意見を聞いて改訂したのが,昭和26年版の学習指導要領であった。この時の社会科の教科構造(科目編成)は,図1の通りである。
〔図1〕
〔注〕1 太わくは必修科目,科目の( )の数字は単位数。
2 四つの選択科目から一科目選択必修。
第1次改訂の特色は,昭和22年版では小学校第1学年から高等学校第1学年まで,10年間を通して一貫した指導を目指したものであったが,中学校・高等学校を分離して義務教育の段階を明確にしたことである。
高等学校社会科の教科構造をみると,第1学年で「一般社会」を必修とすることは変らなかった。ただ,「一般社会」は第2学年以上で履修する日本史,人文地理など選択科目へのオリエンテーションを与えるよろに計画された。また,従来の東洋史と西洋史を統合して,世界史が新設されたのもこの時である。
(3) 第2次改訂―昭和31年版学習指導要領―国の内外情勢が大きく変化していく中で,昭和28年8月,教育課程審議会は「社会科の改善にあたって力を注ぐべき面の一つは,基本的人権の尊重を中心とする民主的道徳の育成である。」とか「社会科においては,児童生徒に地理や歴史の基本的知識や理解,特に地誌や年代史に関する知識や理解を身につけさせることを軽視してはならない。」などの内容を含む答申をした。これを受けて文部省は,昭和30年に小・中学校の学習指導要領を改訂した。この改訂によって,小学校では地理や歴史の系統的学習の強化を軸とした社会科を生み出した。中学校も,従来の単元構成による総合社会科から,地理,歴史,政治・経済・社会の系統的分化社会科へと転換した。
このような小・中学校の社会科学習指導要領改訂の趣旨を受けて,高等学校では従来の「一般社