研究資料分類基準G2-04高等学校社会科「現代社会」の研究-004/170page
分野」と改称された。
高等学校社会科は,「世界史A」と「世界史B」が「世界史」として統合された。また,地理は系統地理を中心とする「地理A」と地誌を中心とする「地理B」の2大立てとなった。
昭和31年版の学習指導要領以降,高等学校社会科は科目の独立性が強くなり,社会科としてのまとまりに欠ける傾向がみられるようになった。そこで,この傾向を取り除いて社会科としての教科構造を明確にする必要が主張され,さらに,小・中・高一貫の立場も強く要請されるようになった。
(6) 第5次改訂―昭和53年版学習指導要領―第5次改訂は,学校教育を取り巻く社会情勢の変化に伴って生じてきた諸問題を是正し,今後の教育の在り方を求めたものである。
特に,高等学校への進学率は上昇の一途をたどり,高校生の能力・適性や興味・関心はきわめて多様化した。にもかかわらず,我が国では明治以降,国家政策の重点を教育に置いてきたことなどにより,教育の平均的水準は高くそのうえ教育の実質的機会均等が保障されてきた。
このよろな状況の中で,昭和48年,文部大臣は教育課程審議会に,1) 高等学校の普及にともなう教育内容の在り方について
2) 小学校'中学校'高等学校教育を通じた調和と統一のある教育内容の在り方について
3) 児童生徒の学習負担の適正を図り基本的事項の指導を徹底するための教育内容の在り方についての三点を諮問した。これに対して,昭和51年12月,教育課程審議会は「自ら考え,正しく判断できる力をもつ児童生徒の育成」を重視し,
1) 人間性豊かな児童生徒を育てること
2) ゆとりのあるしかも充実した学校生活が送れるようにすること
3) 国民として必要ときれる基礎的・基本的な内容を重視するとともに,児童生徒の個性や能力に応じた教育が行われるようにすることの三つの教育課程の基準の改善のねらいを示し,思いきった年間授業時数の削減や教育内容の精選に取り組むよう答申した。その結果,小・中学校は昭和52年に,高等学校は昭和53年に新学習指導要領が告示されたのである。社会科の新しい教科構造は,図3の通りである。
〔図3〕