研究資料分類基準G2-04高等学校社会科「現代社会」の研究-009/170page

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ウ 問題を発見する糸口とする
エ 客観的,科学的に問題を解決する手がかりとする
オ 学習内容を確認する

など活用の仕方を検討する必要がある。

第2には,各々の資料の特色に応じた活用を図る。
例えば,スライド,映画,テレビなどの視聴覚教材は,感覚的な提示であるため,事象の皮相的な理解にとどまり,思考が十分にはたらかず認識の深まりを妨げる危険性があることに留意して活用する必要がある。

第3には,提示する資料を精選し,過剰にならないようにする。
一般的には,一人の教師が多数の生徒に同時に資料を提示するのであり,ある資料を提示した場合,教師の意図したとおりに受容されるとは限らない。まして,資料が過剰であれば,生徒には正確に受容されずかえってつまづきの原因となるので特に注意したい。要するに,学習のねらいに即して,最も適切な資料を選択して活用することが大切である。

第4には,身近な資料を収集する。
「現代社会」の趣旨から考えて,生徒が社会や人間について,主体的に学習を進め,理解を深めるためには,生徒にとって身近な資料を用いて学習を展開することがきわめて重要である。

2) 教師の助言や発問について工夫する。

教師がどんなに深く教材研究をしても,それだけで生徒に生き生きと学習させることは困難である。教師の助言や発問が授業を成功させるか否かの決め手になることが多い。教師が,学習過程のどこで,どのような助言や発問を行うかを,きめ細かに工夫することは,きわめて大切なことである。一斉指導の中では,いろいろな発問の段階や発問の内容を考えることによって,生徒の個人差に対応した指導を展開することも可能になる。また,教師の適切な助言や発問は,生徒の思考活動を活発にし,学習する事項を正しく理解させるものである。

(3) 「現代社会」を指導する社会科の教師の課題

1) 従来から社会科の教師は,「教える」という姿勢が強すぎる傾向がある。これからは,教師も「学ぶ」という初心にかえることが大切である。
2) 高等学校の教師は,小・中学校の社会科について,どんな内容を,どんな方法で指導しているのかなどの実態を把握する必要がある。なお,小・中学校及び高等学校の教師が一体となって社会科指導について話し合い,考える場を設けることが望まれる。
3) 各学校で,社会科の教師全員による「現代社会」の研究会をもつ必要がある。その中で各自の専門性を大切にしながら「現代社会」を考えてみることが重要である。


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