研究資料分類基準G2-04高等学校社会科「現代社会」の研究-082/170page

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資料3) 1人当り国内総生産と穀物消費量

図の見方
×印は1人当り総穀物消費量で,食用に供されるもののほかに飼料用,種子等をふくむが食用との差の大部分は飼料用である。

○印は1人当り食用穀物消費量で直接,食用に供されるものである。
1人当たり穀物消費量は,人間が米飯とかパンとかいう形で,穀物を直接に食べる部分と,人間が肉とか乳製品,卵といった畜産物を生産するのに飼料として家畜に用いた穀物,つまり間接的な消費部分とをふくんでいる。
図における右上がりの実線は,直接,間接の総穀物消費量が,国が経済的に豊かになるにつれて急速に増加する傾向を示すものであり,その下の右下がりの破線は,人間が直接に食べる穀物消費量が,ある経済水準をこえると共通にたどるところの減少傾向を示すものである。 (大内力編著『資源涸渇と食糧危機』学陽書房)

資料3) 1人当り国内総生産と穀物消費量


資料4) マルサスの人口論
人口は,制限せられなければ,幾何級数的に増加し,人類の生活資料は算術級数的に増加する……,人類は次の率をもって増加し,―1,2,4,8,16,32,64,128,256,512,……。生活の資料は次のように増加する,―1,2,3,4,5,6,7,8,9,10……。土地の生産には何の制限もおかれていないからその生産は永遠に増加して,それはとても考えられないほど大きくなるだろう,しかし,人口の増加力はそれよりもヨリ優勢だ,そこで人類の増加を生活資料の増加と同じ程度にしておくのは,ただそのヨリ優勢なるほうの力に対して,制限として働くところの強力な必然の法則,その不断の作用のみである。

…(中略)…

だから,人類の歴史を注意してよむ人は,次のことを認めねばならぬ。いかなる国であろうと,いかなる時代であろうと,人類が生存したところ,または,人類が生存するところには,次の事実がある。
曰く,人口の増加は必然に生活資料によって制限せられる。
曰く,人口は生活資料の増加があれば,必ず増加する。
曰く,人口増加の優勢を抑圧し,人口の増加を生活資料と均衡を保たしめるものは,窮乏と悪徳である。

(ロバート=マルサス「人口の原理」高野岩三郎・大内兵衛訳 岩波文庫)


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