研究資料分類基準G2-04高等学校社会科「現代社会」の研究-155/170page

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4 モジュールによる学習の展開例
1 学習の個別化とモジュールによる学習

学習の個別化には,大別すると一斉指導の中で「個別化」を図る方法と学習の完全な「個別化」を図る方法とが考えられる。後者の方法としては,プログラム学習やモジュールによる学習などがあげられる。

プログラム学習は,プログラムのステップの組み方が画一的であることや集団による学習及び思考の練り上げが少ないことなどの批判があり,モジュールによる学習が登場した。

モジュール(module:ラテン語で"尺度"の意)は,一般に学習の一単位時間(15分〜30分程度)と学習目標,学習内容及び学習形態で構成され,学習内容を中心にそのモジュールを考えれば,次のようにいうことができる。

例えば,1時間の授業の中には多様な学習内容が含まれているが,その内容をある観点から分解し,それぞれをユニットとする。各ユニットは,それぞれに適合する学習方法とその学習に必要な時間をもって構成される。それがモジュールである。したがって,1時間の授業はこれらのモジュールが有機的に複合され,構成されたものである。

2 モジュールによる学習の展開


(1) モジュール教材

モジュール教材とは,学習課題を追求するための1ないし数個の学習目標をもった自己完結性のある小単位学習に必要な教材をセット化したものをいう。これは,学習の成立を図るために必要な一切の情報や教材を包含し,次のような特徴をもっている。

ア 生徒の興味・関心を喚起し,学習意欲を継続できるものである。
イ 生徒の能力・進度差に適したものである。
ウ 自主的,計画的に学習を進めさせるものである。
エ 学習後に充実感,満足感がもてるものである。


(2) モジュール教材の大きき

1モジュールは,1ないし数個の学習目標をもち,1モジュールの標準学習時間は1ないし数時間を基準とする。


(3) モジュールによる学習の進め方(一例)

ア モジュールによる学習の進め方を説明する。
イ 生徒が自分の好きなテーマを選ぶ。ただし,基本モジュールは全員学習する。
ウ 生徒は,自分の学習計画を教師に報告する。
エ 1時間ごとに学習進行状況を教師に報告する。
オ 「モジュール・ブック」に基づいて教師の点検を受ける。
力 計画よりも早く完了したものは,選択(発展)モジュールを学習する。
キ 一斉学習での成果を話し合ったり,教師の講義を聞く。(まとめる)

(4) モジュール・ブックのねらいと作成上の留意点


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