研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-002/96page

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というものではなく,「高等学校学習指導要領」第1章総則第1款「教育課程編成の一般方針等」の1に,「………地域や学校の実態,課程や学科の特色及び生徒の能力・適性・進路等を十分考慮して,適切な教育課程を編成するものとする。」とある箇所は,従来の指導要領にもありました。したがって、従来も実施可能であったわけですが,とくに,今回は強調して明示されたものといえます。

 また、学習指導要領にいう習熟度別の「学級編成」という場合も,必ずしもホームルーム編成のみを指すのではなく,もっと弾力的に「学習の集団の構成」という意味に解すべきです。

2 習熟度別学習と能力別学習の違いはどこにあるのですか。

 習熟度別学習を,かつて行われた能力別学習と,同義と考えるのは適当とはいえません。

 能力別学習は,能力を固定的にとらえ,生徒を一定の尺度で優劣に区別し,それぞれ異なる教育をする,いわゆる差別学習と誤解されるおそれが多分にありました。事実,そのようなねらいをもち,大学進学と関連して,成績上位者を受験に向けて伸ばすことに主眼がおかれたきらいがあります。そして今日でも,習熟度別学習として実践してきた実践例で,失敗のケースといわれるものの中には,能力別学習との区別が明確でないまま行われているものが多いようです。

 広島県教育委員会は,「授業改造への模索(試案)」の中で,過去の能力別学級編成について,強く反省して,「本県においては,昭和40年の初めごろまで,中学校の一部と,高等学校の多くで,能力別学級による学習を実施してきたが,これには,次のような問題がある。

(1)学級編成を固定化し,生徒の素質をその所属する学級によって判断する傾向が強まり,生徒間に不当な優越感や劣等感を生んだ。


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