研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-006/96page

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指導要領の掲げる教科内容が多すぎる」(57.9%)で,次いで「普通の一斉授業では,能力に応ずる授業ができないため」(52.3%),「生徒の能力そのものに原因があるため」(49.2%),「本人の自覚や努力が足りないため」(48,5%)の順となっています。

 学力遅滞の原因を,教師自らの教育実践的要因に求めるものが少ない点が問題です。学習指導要領の内容についても,たんに,「多すぎる」とする前に,自校の実態に合った内容の重点化,精選化が工夫されるべきでしょう。また一斉授業の限界についての反省がみられる点が注目されます。

 以上の,各教科における学力遅滞の実態及び教師のその原因に対する意識は,高等学校においても,より拡大された形で,同様の傾向が表れることが予想されます。

 岡山,兵庫2県の普通高校12校,農業高校2校,商業高校2校,工業高校2校,の計18校の高校生について行った意識調査によれば,学習意欲について,学校の勉強を,「大いにやる気がある」とするものは,わずか3.6%を占めるにとどまっています。「少しはある」を含めて,やる気のあるものは半数に満ちません(47.8%)。大学進学率の高い高校では6割を越えるものの,それ以外では半数に達しません。

 学校の勉強に対する理解度については,55.5%のものが,「わからないことがよくある」と回答し,「わからないことが時々ある」を加えて,全体の95%のものが何らかの形で,学校の勉強に対する難解さを認めています。

 また,「学校の授業が落ちこぼれをなくすよう努力されているか」については,「そういう努力がなされている」と答えたものは1割に達しません。

 「現在の授業に満足しているか」については,満足しているものが3割に過ぎません。不満の理由は,「理解していないのに進んでしまう」(47.9%),「問題をゆっくり考える余裕がない」(24%),「対話のない講義式の授業でつまらない」(16,4%)としています。

 次に,今の高校生がどのくらい教師に相談に行っているか,をみますと,「相談したことがない」が半数以上にのぼっています(51.6%)。「ほとんど行かない」を含めると,94.3%のものが,ほとんど教師には相談していない


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