研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-011/96page

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3 教育内容の精選・構造化

 高校問題研究会の,「高校義務化の可能性に関する基礎的研究」の,中学校の教師に対する意識調査で,学習不適応を起こす原因として,「教材量が多いから」とする意見が,理・社・国の平均で,60.7%,英・数の平均で51.2%になっています。新学習指導要領も,「教育内容の精選」,「基礎・基本」ということを強調しています。基礎・基本は,発展内容の基礎にもなり,生涯教育の基礎にもなるべき教材内容を指しています。この考え方の背景には,学校教育は,教育の全分野を引き受けるのではなく,生涯教育の中の一つの基礎的分野を受け持つという発想があるわけです。

4 弾力的な運営が可能な教育課程の編成

 教育課程の基本方針には,前年度及び,過去の教育課程の反省を盛り込むことも必要です。旧教育課程のように,卒業単位を85単位以上として,修得を義務づけ,単位制の生命である選択の余裕をなくし,若干の類型選択を準備している状態では,「落ちこぼれ」が出るのも,当然予想されるところです。学習指導法や教材精選の工夫だけでは,落ちこぼれを救うことはむずかしいでしょう。どうしても,教育課程編成の上で弾力的履修が可能な方策を研究し,この面からバックアップすることが必要となります。新学習指導要領では,卒業単位を80単位以上とし,必履修を基礎的なものにしぼり,選択を多くすることが可能な教育課程の編成を説いているのもそのためです。また,教育課程の弾力化は,高校生活全体に,時間的にも,精神的にも,ゆとりを生じ,それが高校生活を実りあるものに変えてゆくはずです。

5 生徒指導の充実を図る教育課程の編成

 ゆとりのある教育課程の中で,生徒指導に重点をおく教育課程の編成か大切です。生徒指導は,学校教育のあらゆる領域で行われるべきものであり,学習指導の面でも,もちろん取り上げられねばなりません。学習指導要領,総則,第7款6の(3)や,特別活動の中で,その重要性か強調されているのもそのためです。従来の学習指導中心の学校経営から,生徒指導型の学校経営への転換か要求されてきます。新教育課程の方針,意図を生かすには,生徒指導,例えば,学業指導やその上に立って行われる進路指導か大切になって


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