研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-013/96page
の弾力化を図っております。そのいくつかの改善点をあげれば,次のとおりです。
(1)必修の教科・科目と,その単位数を大幅に減らして,選択中心の教育課程か編成できるようにしています。すなわち,低学年では,高校教育で必要とされる基礎的,基本的必履修科目を共通に履習させ,中学年,高学年では,個人の興味・関心のみならず,個人の習熟度に応じて,多様な選択の教科・科目を準備し,それを自由に選択できる道を開いているわけです。この場合も,必履修科目を除き,選択履修科目については,選択の内容や方法について何らの条件づけもしていません。各校の実態に応じた創意工夫が望まれています。
(2)授業時数と単位数については,第1に,「週当たり標準時間数」が,34単位から32単位に,2時間減らされました。とかく,過熱化する受験体制の中で,ふくれがちになる授業時間数を抑えるために,その標準時数を示し,週当たりの授業時間数に,「ゆとり」を与えているわけです。第2に卒業に必要な修得総単位数を,従来の85単位から80単位に引き下げています。文部省でも説明しているように,その趣旨は,能力の多様化に応じて「うちの学校は,クラブ活動を重視するのだから,相対的に各教科・科目の卒業に必要な単位数は減らしたい。」とか,「履修だけで修得しなくてもよい科目かあってもよいのでは。」とか,「習熟度別履習で修得の徹底を図るかわり,総修得単位数は減らしたい。」といった,多様な学校の要求か出ることを予想して「引き下げた。」としています。第3に,専門教育を主とする学科における専門教育に関する各教科・科目の最低必履修総単位数を,35単位から30単位に引き下げて,実業高校における教育課程の弾力化を図っています。第4に,1単位当たりの授業時間数について,取り扱いの弾力化の措置をとっています。すなわち,改訂前の「1単位について1個学年35単位時間に相当する時間を下らないように計画する。」を,1単位について1個学年35単位時間に相当する時間を標準とする。」と改め,特別活動などの重視により,授業時数が年間1単位につき,35週を下回ったとしても許容される余地を与えています。