研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-036/96page

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ような学習適応性(学習場面における種々の障害を乗り越え,能力相応あるいは,それ以上の学習効果をあげていく傾向)を持っているかを調べることが必要です。このような学習への適応性を調べるテストが,この学習適応性検査(Academic Adjustment Inventory 略してAAI)です。生徒の持っている能力・学力に応じた学習ができない場合には,学習不適応と呼んでいます。この検査の項目の多くは,前にあげた学業不振の要因と重複します。

 以上,知能検査・学力検査・学習適応性検査の三つを,バッテリー的に利用して,個人指導に当たります。場合によっては,例えば,学習意欲の喪失・神経質的傾向はどこから来ているかを明らかにするためには,YG性格検査などをテスト・バンテリーに組み入れて,さらに細かい資料を入手し,これを援用して,より一層個人指導を掘り下げる必要があります。

 これらの検査結果は,あくまでも生徒の成長発達途上における一時期,一時点で静止した状態での横断的側面の測定にすぎません。したがって,検査によって得られた資料は,あくまでも行動観察や面接における主観的な判断のひずみを補正し,理解の不十分さを補うなど,テスト・バッテリーの有効性と限界を押さえて慎重に活用すべきです。


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