研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-037/96page

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4 習熟度別学習と学習集団の類型

14 習熟度に応じた学習集団の類型とその特質について知りたいのですが。

1 自然学級

 自然学級は学習集団と生活集団が同一で,多人数の同時教育という点で,極めて効率の良い形態です。しかし,効率を図るあまり,画一的学習に陥りやすく,学級全体が学習しているように見えても,実は主体的に学習活動をしているのは一部で,ほかは実質的な学習活動をしていないような状態が起こりやすいのです。この傾向は,習熟度の差の大きい学級にあっては,一層強くなってきます。したがって,自然学級においては一人ひとりの学習状態を的確に把握して,一人ひとりが意欲を持って積極的に学習に参加できるよう,授業の方法を改善していくことが大切です。そのためには,自然学級での一斉指導の特質を生かしながら,マスタリーラーニング,モジュール学習,プログラム学習,枝分かれ学習等,習熟度に応じた授業形態を工夫していく必要があります。文部省の研究指定校の中には,このような授業の改善によって,かなりの効果をあげているところがあります。

2 自然学級における習熟度別小集団

 小集団学習は,学級規模の集団と個別学習との中間的な位置にあるものであり,大別すると,等質小集団と異質小集団に分けられます。

(1)異質小集団

 異質小集団は学習への参加度を高め,多元的な相互作用により豊かな思考を養うのに有効です。すなわち,個別学習では一元的な思考しかできなかったものが,互いにメンバーの諸意見を対立させながら,自分の判断を修正し,発展させていくことができます。しかし,リーダーとしての位置


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