研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-039/96page
ので,出席簿の管理を工夫するなどして,教科担任と学級担任との連携を密にする必要があります。
(4)同時展開の講座が多くなると,時間割が弾力的に組めなくなり,また,授業変更ができにくいので,この点を考慮して,同時展開の講座数を決めることが大切です。また,出張等による欠課が予想される場合には,自主的な学習が可能なような教材を,作成しておくこともよいでしょう。
(5)習熟度の高い学級や低い学級に所属する生徒に対して,優越感や劣等感を生じさせないような配慮が必要です。
4 習熟度別固定学級
生徒の能力を固定的にとらえるのでなく,それぞれの努力によって,常に変容し得るものとする習熟度別学習の趣旨から考えるならば,この学級編成は慎重に検討を加えた上で行われなければなりません。しかし,習熟度の差の少ない学級を編成することによって,学習の効率を高めることができます。
この編成を行うときの留意点は次のとおりです。
(1)固定学級であるため,全教科についての習熟度をどのようにとらえるかを多面的に検討する必要があります。
(2)学力の伸長度に差が生じた場合,どう対応するか検討しておく必要があります。
(3)習熟度別固定学級による優越感,劣等感,差別意識等の心理的影響が生じないような工夫が大切です。
(4)習熟度の低い学級にはリーダーが欠ける場合が多く,とくに教科外活動に支障が生じやすいので,リーダー養成に努めるなどの配慮が必要です。
5 単位分割による習熟度別学級
履修単位の大半は自然学級で行い,一部については,習熟度別学級を編成する方法です。この場合,習熟度の高い学級は発展的,応用的な教材を与え,比較的低い学級には自然学級における学習事項の定着を図りながら,次の学習の基礎力を養成していくなど,習熟度に適した教材によって,自然学級における学習への動機付けとしての効果が期待できます。
この場合は,単位の分割履修であることから,心理的影響は少ないと思わ