研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-061/96page

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的にはそれほど成果のあがっていない生徒が4・5の段階になるなどである。

(3)指導に先立って,絶対評価のような評価基準を設定することができない。

3 相対評価を加味した絶対評価と絶対評価を加味した相対評価

 1で説明しましたように,絶対評価を行うためには,その前提として,適切な評価基準A'を設定しなければなりませんでした。しかし,評価基準Aから,評価基準A'を設定するための定まった理論,方法は確立していないので,学校においては,当該教科の教師が協力して,これを設定することになります。その場合,最初に設定した評価基準A1をもとにした指導結果を持ちより,これを客観的に分析し,反省して,漸次これを修正,改善し,評価基準A2をつくります。このような努力を繰り返すことによって,客観性と信頼性のある評価基準A'が設定されるわけです。

  A→A1→A2→…→A'

 ところで,評価基準A1からA2をつくる:A1→A2,A2からA3をつくる:A2→A3……などの場合には,2で説明した相対評価の方法が使われます。例えば,評価基準A2の設定については,次のようになります。まず,評価基準A1の各項日ごとの達成度を,テストの結果から判定し,もしも,全体の正答率が0%に近いものや,100%に近いものがあれば,これらの正答率が60%前後になるようにテスト問題を修正するとか,全体の成績の分布が片寄ったものであれば,各段階にはいる生徒の割合が,ある程度調整されたものに近くなるようにテスト問題を検討し直す,ということを実行します。

 このように評価基準A1の達成度を判定するためのテスト問題を検討するということは,とりもなおさず,評価基準A1を検討し,修正し改善する,ということで,このような手続きを経て評価基準A2が設定されることになります。以下同様のことが繰り返されて,評価基準A'が設定されていくわけです。

 絶対評価の評価基準A'の設定がこのようにしてなされるとするならば,その設定の過程で,すでに集団の成績も一応評価の基準として取り入れられて


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