研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-066/96page
当初は,またその修正や変更の余地のある時期における一種の教育課程評価の意味でありました。しかし,現在このことばは,授業の進行中での教師の指導と生徒の学習との改善調整のための評価,という意味で用いられています。すなわち,一定の教材の指導途中で,一つ一つの学習目標,内容について,問答法,観察法,OHP,小テスト,アンサーチェッカー等を用いて,主として絶対評価によって,どの目標は達成し,どの目標は達成していないかについての評価情報を求め,これによって教師の指導と生徒の学習とを改善し調整しようとするものです。
形成的評価のためのテストのことを,形成的テストといいますが,このテストは,ふつう,数時間の指導内容について行うもので,そこでは,高度の理解,思考,応用というような高次の目標よりも,むしろ,ぜひ習得させておきたい基礎的,基本的な知識,理解,技能が,主としてテストされることになります。そして,このテストの結果発見された少数の生徒の誤りや欠陥は,個別的にこれを再指導し,クラスの多数の生徒の誤りや欠陥は,教師の指導法や教材選択の欠陥に起因するものとみて,以後これらの改善や修正に努めるようにします。
以上のことから,形成的評価とは,評価の働きにかかわる概念であって,具体的には,通常(達成目標に対する)到達度評価の形がとられることがわかります。
なお,具体的なフィードバックを伴った形成的テストを数多く実施すれは、それだけ生徒の成績が向上するという結集が報告されています。
(3)総括的評価
総括的評価とは,一定期間の指導・学習の終了後,その期間における学習目標とその内容について,生徒の習得状況を総括的に確認するために行う評価のことをいいます。したがって,総括的評価は,学習内容の多少や学習期間の長短によって,これを,一つの単元学習の終了時に行うような短期的なもの,学期末に行うような中期的なもの,1年間の学習目標・内密にわたって学年末に行うような長期的なもの,の三つに分けて考えるこ