研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-067/96page
とができます。
総括的評価の目的は,形成的評価が授業途中における指導と学習の改善と調整にあったのに対して,指導計画の終了後におけるその計画の反省と今後の改善,生徒の成績評定および,発見された大きな欠陥の改善にあります。また,その評価の内容は,形成的評価が,主としてそれぞれの学習内容における基礎的・基本的学習事項であったのに対し,ここで取り上げられるものは,長期にわたって異なる内容で指導した学力全体であり,思考,応用,創造,態度等も含みます。そして,ここでの評価は,相対評価が中心となります。
ところで,総括的評価を目的とするテストは,総括的テストといわれますが,このテストの目標は,形成的テストのそれよりは具体的ではなく,もっと一般的なものでよく,すでに述べましたように,総合的に養われた高次の目標も含みます。
総括的テストは,ひとまとまりの学習単位の終わりに実施し,その学習の達成の程度を明らかにするものです。したがってその問題項目は,すべての習得目標を母集団とし,母集団の縮図ともいうべき標本によるテストでなければなりませんから,内容の面からも,程度の面からも,偏ったものにならぬよう注意する必要があります。
以上説明しました診断的評価,形成的評価,総括的評価の三つの評価を比較対照しますと,次のページの表のようになります。