研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-072/96page
なってしまい,治療・習熟の焦点がぼけてしまって,再指導の効果があまり期待できなくなるからです。
なお,この場合の(形成的テストによる)形成的評価(実質的には到達度評価)は,もちろん成績には入れないことにします。
5)
(図16)の(ロ)の部分は,単元テスト,中間テスト,期末テスト等の総括的テストの実施を意味し,これは,それまでの指導と学習との総括的評価を行うことを意味します。
この場合のテストの問題は,例えば,100点満点で,学校内規の合格点が40点以上ならば,各(イ)の中で実施した到達度テストの問題の中から40点分以上の問題を偏りなく抽出して少し形を変えるなどし,残りは,発展問題とするなど,生徒の実態を考慮して構成することも考えられます。
(図17)は,1学期間に何度か実施された総括的テストの結果を総合した学習到達度の評価に,1学期間における個々の生徒の学習の伸長度,さらに学習態度などを十分加味して,1学期の評定を行うことを意味しています。
ここで,個々の生徒の学習の伸長度に関する評価については,
ア 1学期間に行われた総括的テスト等における生徒の成績順位の移動
イ 事前テストと事後テストの成績の差から求められる個々の生徒の伸び率(有効度指数)などを参考にして行うことも考えられます。
また,学習態度に関する評価については,例えば,出席率,宿題,ノートなどの状況,授業中の学習に取り組んでいる様子などの記録を勘案して評価することも考えられます。
学年での評定も,全く同様に考えて行うことになります。
以上,自然学級の中での習熟度別学習の一形態に関する例について説明しましたが,この例では,4)の治療・習熟,発展の段階で,指導の個