研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-074/96page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]


7 習熟度別学習とガイダンス

26 習熟度別学習について,生徒,父兄に,どのようなガイダンスが必要でしょうか。

1 習熟度別学習の教育課程を組んだ趣旨を,生徒や父兄に正しく理解してもらう必要があります。

 前述のように,習熟度別学習は,従来の能力別学習とは違い,能力の多様化の実態から起こった指導法の改善を目指すものです。したがって,父兄にも生徒にも,自校の能力の多様化の実態や,授業についてゆけない生徒の実態などを,よくわかってもらう必要があります。そして,一人ひとりの学習の成立をめざし,「学習遅滞者」をなくそうとする学校全体の教育目標の理解徹底が必要です。

2 能力主義による差別教育ではない,ということを理解してもらいます。憲法26条や教育基本法3条の「能力に応じて」と「ひとしく」を,切り離して考え,平等主義と能力主義を対立させ,習熟度別学習を,能力主義に基づく差別教育とする考え方が間違っていることは,最初に述べたとおりです。このような観念論よりも,いま,授業についてゆけない生徒をどうするか,そのための教育,課程の改善をどうするかの方が,はるかに痛切な当面の課題であると思います。そのためには,まず教師間の共通理解が確立され,しかるのち,父兄や生徒へ,このことの理解を及ぼすことが必要となります。

3 生徒が主体的に選択できるためのガイダンスが必要です。「ガイダンス」の本来の意味は,生徒の主体的意志決定への援助です。習熟度別学習も,生徒の主体的な意志決定がなければ,自己の学習に対する責任も意欲も沸いてきません。しかし,生徒の自由な意志決定を助けるということは,生徒を勝手に放任することではありません。生徒には,主体的に意


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。