研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-079/96page

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ることです。そしてこのことは,習熟度別学習を推進する過程で当然必要とされるガイダンスとなります。したがって,そのガイダンス計画が正しく教育課程の中に位置づけられることが大切です。

 最後に,進路指導の明日をどうとらえ,どう改善すればよいかということについて,参考までに,理念と目標,計画と内容,方法と技術の3点からの高校進路指導の時系列モデルを表7にかかげておきます。

表7 高校進路指導の時系列モデル

時制
領域
戦前〜1960年代 1970年代 1980年代〜2000年ころまで
過去 現在 (近)未来
(農・工業社会) (情報化社会) (学習社会)
教育の方向と機会人物評価の尺度 ●学力,内的特性,制度としての教育 ●個人の希望と欲求,コミュニティとしての教育
●タテの集団主義 ●ヨコの集団主義
●学歴・地位・収入・名声・威信・権力 ●実力,可能性,意欲,価値観,創造性,トータルな人間性
理念・目標 ●立身出世・競争主義・知育偏重 ●生き方・自己実現の教育,個性・能力の伸長,調和的発達
●学校の伝統・方針,教師中心のマッチング方式 ●学習者中心のキャリア発達の援助
●教育・指導された生徒を送り出す ●自己教育・自己指導のできる生徒を育てる
計画・内容 ●学校内だけの,特定の時間のみの形式的・固定的指導計画 ●生徒の発達段階,発達課題をふまえた学校,地域社会,家庭ぐるみの総合的・弾力的指導計画
●卒業時点の集中的指導 ●小・中学校における発達的プロセスにそった入学時からの継続的指導
●コマ切れの指導内容 ●生徒のニーズ,関心に即した系統的学習
方向・技術 ●多人数一斉教科的授業,教師の説話,指導中心 ●生徒の主体的な集団的・個別的学習観察,訪問,リサーチ,討議などの体験的・探索的・行動的学習中心
●データのためのテスト,指示的インタビュー,情報の一方的提示 ●キャリア発達の自己診断,キャリアカウンセリング,情報の自主的学習
●知識としての印刷教材 ●方向づけ,意思決定に役立つ事例,AV教材,ドラマ,ゲームなど生き生きとした教材
評価 ●組織・運営の効率度 ●個々の生徒への教育・指導機会・場面の有効性
●卒業時の進学率・就職率・定着率 ●個々の卒業生の満足度・自己充実度・地域や組織への貢献度

(キャリアガイダンス 1976年5月号)


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