研究資料分類基準F-201習熟度別学習研究の手引き-082/96page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

29 学習不適応生徒に対するカウンセリングは,どのように行えばよいでしょうか。

 学習カウンセリングとは,人間は自らの力で成長していくという教育一般が担っている基本的な仮説のもとに,面接や話し合いによって生徒の自己理解を図り,学習における問題や悩みを解決していくことを主な目的としております。

 学習不適応の内容として,カリキュラムや指導法に問題がある場合,進路や学習目的に迷いがある場合,劣等感に悩まされている場合,家族の中の人間関係や教師や友人との人間関係に問題がある場合など,が考えられます。こういった学習不適応に陥った生徒に対し,ホームルーム担任,教科担任,教育相談担当教師等が,どのように援助指導を行えばよいか,ということを次に述べてみたいと思います。

 学習不適応に陥っている生徒を正しく理解するためには,生徒の能力・学力体力・感情・性格・本人をとりまく人的環境等についての日常の観察,面接,諸検査等を手がかりとして多面的,総合的にとらえていくことが大切です。不適応の原因の究明にあたり,チェックポイントとして次の内容を参考にしてほしいと思います。

(1)授業を成立させるためのチェックポイント

 1)教科・科目,学級等の選択について適切な指導がなされているか。

 2)学校の教育計画において,学習と特別活動等の両立が図られるよう編成され,それによって適切な援助指導がなされているか。

 3)青年期にありがちな人生や社会への懐疑や学習目的の混乱はないか。

 4)教科担任と生徒の間にトラブルはないか。

 5)友人関係や親の養育態度に問題はないか。

 6)身体的欠陥や病気に悩まされてはいないか。

(2)授業の進め方に対するチェックポイント

 1)学習内容が生徒の習熟度に合わず,学習意欲を失っていはしないか。


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。