学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-003/222page
3.学校における教育相談
教育相談は,本来,気を許し合った親友と一緒にいる時のある種の人間関係と雰囲気のようなものであろう。そのような人間関係と雰囲気に支えられて,じんわりと自分をみつめ,自由に自己表現をして,すっきりした気持ちになった結果として,傷ついた心や問題行動がなくなるという性質のものである。
だから,学校における教育相談は,生徒指導の一環として行うべきものであると考えている。
教育センター・児童相談所,あるいは精神衛生センターなどの専門機関での教育相談は,どちらかというと,対象者は心理的な障害を持っている者が多い。これに対して,学校では,心理的には一応普通か軽度の障害をもつと考えられる子供を対象としている。それを図表化したものが図1である。
図1 専門機関と学校における教育相談の比較
そこで,学校で目指す教育相談の働きをまとめてみると次のようになる。
○ 暖かい人間関係の確立
○ 自己理解への援助
○ 全人的な成熟についての援助
○ 価値観の発達についての援助
○ 技能的な熟練についての援助
○ さまざまな選択についての援助
○ 心理的な問題についての援助