学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-004/222page
○ 非行の矯正についての援助
これらのことは,WHO(世界保健機構)で定義している,「健康とは,単に病気や虚弱でないということだけでなく,身体的にも,精神的にも,また社会的にも,まったく申し分のない状態のことである」ことを目指しているといってよい。
また,これらは,教育相談の目指す3つのねらいである,1) 精神的健康の増進,2) 精神的不健康からの予防,3) 精神的不健康の治療のうち,1),2)の開発的・予防的な面に,より多くのかかわり合いをもつものである。
学校における教育相談では,心理的な障害を持つ子供を治療することにのみ焦点をあてるのではなく,開発的・予防的な面に焦点をあてながら,かつ,治療的なアプローチを行うことが望ましいことであると考えている。
従って,学校における教育相談の特質として考えられることは,
(1) 全般的なこと
○ すべての子供を対象とする。
○ いつでも気軽に相談ができる。
○ 相談を行う場所はどこにでもある。
○ ずての教師が相談担当者である。
○ 相談の内容広範囲にわたっている。
(2) 有利なこと
○ ラポートをつくりやすい。
○ 生徒理解のための便宜に恵まれている。
○ 教育の諸条件を広く活用できる。
○ 予防面に比重をおくことができる。
○ 長期にわたる指導援助が可能である。
○ 家庭や地域の協力を得やすい。
(3) 困難なこと
○ 時として,相談教師としての力量に限界がみられる。
○ 家庭との協力にも限界がある。
○ 同僚間における人間関係の問題がある。