学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-020/222page
適性検査 就学適性検査 就学時に学校生活のレディネスができているかどうかをみるもの。 職業適性検査 一般的適性,事務的適性,機械的適性の三つの検査がある。 才能検査 音楽的才能,運転技能などの特殊な能力を発見しようとするもの。 運動能検査 協応動作,巧ち性,バランスなどをみるもの。 運動力検査 走力,跳躍力などの運動能力をみるもの。 学力検査 標準学力検査 学力偏差値を出して,個人が標準からどれだけかたよっているかを知るもの。 学力診断検査 学力のどの点に障害があって,つまづいているかをみるもの。 その他 読書力診断検査,美術鑑賞テストなど。
4.心理検査実施上の留意点
心理検査の実施にあたっての留意点を,いくつかあげてみる。
(1) 我が国で使用されている心理検査は,その種類も,その数も実に多い。従って,精度のよい,検査目的に相応した適切な検査を選ぶようにしなければならない。また,どの検査にも,効用と限界があり,これらの諸点をよく調べたうえで,使用することが必要である。
(2) どんな事例についても,ひとつの検査のみで診断することはほとんどなく,子供の心身の各側面を広く深く理解するために,観察・調査を加えるのが一般的である。
(3) 集団で検査を実施する場合は,学校行事(運動会,遠足,学習発表会等)の前後は避け,また,なるべく午前中の疲れの少ない気分の良い時が望ましい。
(4) 検査を実施する場所は,子供がよくなれた場所がよい。そして,検査者以外の教師や他の子供が立ち入るような,また,騒々しい場所や,子供が緊張するような場所を避ける。
(5) 無用な不安を与えず,持てる力が十分に発揮できるようにしてやる。このためには,子供との間に共感や信頼関係が自然に生ずるようにし,子供が質問に対して気楽に反応できるように努める。また,検査の目的や方法を説明する場合は,余りに強制的・命令的な言い方を避けるようにする。