学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-021/222page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

(6) 風邪・腹痛・頭痛,その他で気分が悪く,心身に疲労を感じている時は,検査を実施しないほうがよい。

(7) 検査中の子供の態度や,質問に対する反応の仕方などは,よく観察しておき,記録しておくとよい。これは結果を処理し判断をする場合に,役立つことがあるからである。

(8) 検査の結果は,数値やプロフィールなどのみでなく,検査者の所見も含めて記録しておくのがよい。

(9) 手引き書を十分に読み,技術を習得し,正確に実施するようにする。

5.心理検査結果の伝え方における留意点

検査結果は,個人のプライバシーに関することであるから,十分な配慮が必要であり,子供の人権を尊重するという態度が基本的になくてはならない。

検査の結果を本人や親に伝えるか,伝えないかについては,それによって,どのような教育的効果が期待できるかということから判断しなければならない。その結果,本人や親に伝える必要がある場合には,教師の正しい解釈が加えられ,本人や親に教育的効果をもたらすような表現で伝える必要がある。

(1) 個々の子供に対する伝え方

子供ひとりひとりに対して,検査結果を解釈し,伝えていくことは,子供ひとりひとりが,自分の性格・能力・適性・興味等について知り,自己理解を深めていくことができることを目的として行うのである。

伝え方は,子供の学年(年齢)により異なるが,内容を具体的に,分かりやすく説明することが必要である。

検査結果を基に,子供との面接をする場合には,次の点に留意したい。

1) 最初から検査結果について説明すると,子供は受け身になりやすい。最初は,検査を受けた時の気持ちを聞くなどして,雰囲気をやわらげるのがよい。

2) 検査結果について尋ねてみたいことがあるかどうか聞いてみる。

3) 検査の実施時期と面接の時期は,必ずしも一致しないので,検査を受けた時と今の状態をよく比較して,変化があるかどうかについて確かめてみる。


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。