学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-025/222page
○ 将来の進学・就職などの選択についての援助にあたる進路指導に関すること。
○ 性格・情緒面に問題をもつ子供の予防や援助のための問題行動に関すること。
の三つに分類される。これらの三つの分野について,診断や指導のために必要な資料を得るための,一般的なテスト・バッテリーの編成のあり方をまとめてみたい。
(1) 学習指導に関するテスト・バッテリー
学業がふるわないということは,理由のいかんにかかわらず,子供にとって深刻な問題である。そこで,学力の状態およびそれに影響している諸要因の診断を中心に考えてみよう。
1) 知能検査を
各教科の学習内容を理解し,問題を解決するだけの知的能力があるかどうかの診断が可能である。また,どの程度の成績が期待できるかという予測をたてるめやすにもなる。
2) 各教科の標準学力検査を
全国との学力水準の比較や領域別の長短の診断ができ,学力評価のための客観的な把握が可能になる。さらに,知能検査との組み合わせによって,個人の能力が望ましい姿で発揮されているかどうかを把握する成就値,または,新成就値の算出ができる。その結果から,アンダーアチーバー児やオーバーアチーバー児の発見ができ,学業不振児の指導に役立てることができる。
3) 学習適応性検査を
学業指導においては,健康状態,性格,学習法などによって,個人の能力に応じた学習効果をあげることができない場合がある。また,一般に,学力を伸ばすためには,学力向上を阻害している要因をつかみ,治療することが必要になる。学習適応性検査の利用によって,これらの学習不適応要因の診断が可能になる。
以上のように,知能検査や学力検査に加えて,学習適応性検査の三つを組