学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-026/222page
み合わせることによって,子供の学力の状態や,それに影響している諸要因の実態が明らかになり,そこから適切な指導法が打ち出されるであろう。
(2) 進路指導に関するテスト・バッテリー
進路指導の目標は,自分の進路を選択決定できるように援助してやることにある。選択決定の条件としては自己の性格・能力を適切に把握することであり,そのために選択すべき目標対象の十分な情報が不可欠になってくる。その資料を可能な限り客観的に集めることを中心に考えてみよう。
1) 適性検査を
どのような職業に適性があるか,どんな学科に適性があるかが診断でき個人の向性をつかむのに効果的である。
2) 知能検査,学力検査と興味検査を
進学や就職した時の伸びをみる知能や学力の診断が可能になる。しかし能力があっても,興味がなかったり,嫌いな分野の勉強や仕事には成果を期待することが困難なことを考えると,どの分野に,より興味や関心があるかを客観的に診断する必要がある。それは,興味検査によって明らかになり,進学・就職後の適性を予測することが可能になる。
3) 性格検査を
個人の性格面の特徴が,どの一方面の職種に適合できるかを決定するめやすとして生かすことができる。
以上のように,進路指導にあたっては,学力,興味,性格等の組み合わせから総合的に診断し,さらに,個人,家族の意向を加味しながら,進路の決定にせまるのが妥当であろう。
(3) 問題行動に関するテスト・バッテリー
ここでは,問題行動の早期発見の手がかりについて考えてみよう。
1) 性格検査と欲求不満検査を
性格や情緒的にうまく適応しているかどうかが診断できる。特に,劣等感,攻撃性,情緒不安定といった問題行動に結びつきやすい性格・情緒的な要因の発見が容易になる。
2) 親子関係診断検査や交友関係をみる検査を