学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-028/222page

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図2 学業不振児のためのテスト・バッテリー

学業不振児のためのテスト・バッテリー

1) 知能検査と標準学力検査の活用

一般に学業不振とは,学習能力(多くは知能であらわす)に比して,学業成績が低い場合をさしている。

判断の基準として,

○ 成就値(成就値=学力偏差値-知能偏差値)が-10以下(学者によっては-8以下)の場合。

○ 新成就値(新成就値=学力偏差値-知能対応学力偏差値)が」7以下の場合。

など,成就値を測定して判断することが一般的である。

表3は,知能検査と標準学力検査の結果であるが,学業不振児の発見にあたって,新成就値に注目してみよう。

判断基準から,新成就値が-7以下にある者が該当し,これらをアンダーアチーバーといい(+7以上はオーバーアチーバー),学業不振児の一群としてとらえることができる。

表3からはNo.14,No.20の子供が学業不振児として該当している。ここでは,No.14の子供を対象として,学業不振の背景や指導のあり方を明らかにしたい。

No.14の子供は,知能偏差値は65であり,知能段階からみると5に位置し,知能レベルは上位にある。従って,当然,学力水準も高いレベルが期待できるはずである。しかし,4教科の学力偏差値は平均51で,段階でみると3に


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