学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-032/222page

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No.14の子供については,検査の結果から,

○ 学習態度や学習環境の調整を図ることから学業不振を改善する。

○ 子供自身の内面に目を向け,性格的な問題(学習意欲,神経質的傾向など)を含めた身体的精神的健康を高めることから学業不振の改善をはかる。

この二点が,援助指導の重点になると思われる。

なお,これらの援助指導の重点を,いっそう深く掘りさげるために,学習意欲の喪失,神経質的傾向はどこからきているのかを明らかにするために「Y-G性格検査」を,学習環境の中の友人関係の改善のためには,「ソシオメトリックテスト」や「ゲスフーテスト」などを,テスト・バッテリーに組み入れて,さらに細かい資料を得ることが大事になる。

また,家庭での学習環境を改善するためには,父母との話し合いや面接が不可避となることは言うまでもないことである。

しかし,ここで得られたデータは,子供のある時期の,しかも,一断面をみているにすぎない。全面的な信用をみることは留意すべきであり,援助指導の一道具として活用すべきである。

(2) 神経症的徴候をもつ登校拒否児(中学校)

登校拒否を考えていく場合,多くの要因が考えられるが,その基底的なものに本人の性格がある。性格を検査することによって,本人のもつ潜在的な問題因子,顕在化する行動傾向が本人のどの性格特性にかかわるものかをとらえることができる。また,その性格を形成する上で,親の養育態度はどのようにかかわっているのかも明確にしておかなければならない。さらに,子供が学校を休むという事実から,学校生活に対する本人の主体的要因である知能と学力の程度,健康状態,器質的な障害の有無,並びに環境的要因としての交友関係の実態などは,学級担任としてぜひ掌握しておく必要がある。

○ 対象 中学校1年女子 W子

1) 初回面接時におけるきき出しのポイント


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