学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-045/222page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

第7章 面接のすすめ方

1.面接の目的

教師は,子供とよく話し合いをする。しかし,その時,きょうは一体何のために子供に会うのか,そのためには,どういうふうにして会ったらよいかということをいちいち意識して会っていることは少ないと思う。

普通,面接には,子供の家庭のこととか,子供の考え方,あるいは,何か事件が起こった場合のくわしい内容を知りたいという目的で会うことが多い。このような場合は,教師の方の必要から子供と面接するのであって,子供にとってはあまりプラスにならないのが普通である。

教師には必要な資料・情報が得られるという利点はあるが,子供の方は一方的に教師から聞かれるだけで,場合によっては,かえって不安が残るかも知れない。

もう一方,子供に面接する目的として,子供とよい関係をつくろう,何でも話せる関係をつくろうということで会う場合がある。

教師としては,子供の気持ちを,できるだけありのままにわかってあげたい,子供の方からすれば,先生に話を聞いてもらってよかった,わかってもらえて安心した,というような関係の面接なのである。そして,その関係を土台として,だんだんと子供の気持ちや考え方が変わっていくように,できれば,子供の態度や行動まで変わっていくことをめざす面接もある。これをカウンセリングということができる。

さて,実際には,後者の面接の方がなかなか難しいのである。ただ,前者の教師側で必要な情報を得る,あるいは,それに基づいて指導援助する場合でも,子供と本当になんでも話し合える関係ができていないと,うまくいかないことを忘れてはならない。

2.目的の明確化

これから子供と面接しようとする時は,まず第一に,何のために会うのかの目的を明確に意識しなければならない。ただ漠然と会うと,子供を理解しよう


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。