学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-047/222page
次に,呼び出し相談の場合であるが,子供は,なぜ呼び出されたのか,不安をもっていることが多いので,理由を明確に話す必要がある。
たとえば,
「このごろの様子を見ていたんだが,心配でね。何か困ったことでもあるんじゃないの」
「この機会にいろいろ話し合ってみたいんだ。成績のことなどで心配していることもあってね。何か手伝ったり,一緒に考えたりすることでもあるんではないかと思ってね」
というように,子供に対して,積極的な関心があるということや,なぜ呼んだのかというこちらの姿勢を示し,子供の不安を取り除いてやらなければならない。
この場合,どうしても堅苦しい雰囲気になりやすいので,関心の深さを子供に気づかせるとともに,しばらく世間話などして,親しく話のできる雰囲気づくりをしてから本論にはいった方がよい。
(1) 場面構成
面接は場面構成がうまくいかなければ発展しないので,方法と考え方について述べることにする。
1) 場所とすわり方
面接は,できるだけ落ち着いた部屋で,話し声が外にもれたり,逆に,外の人の動きなどがわからない,安心して話せる場所がよいことはいうまでもない。いすもゆったりとくつろいだ姿勢ですわれるもので取り調べ室のような印象を与えないことが大切である。
すわり方にもいろいろあるが,斜め横の関係で話し合うという形であると,あまり抵抗を感じないものである。
2) 時間の制限
面接は,あまり時間が長くなると,お互いに疲れて雑談に変わってしまいやすい。雑談ペースにならないためにも時間制限を設定しなければならない。このことは,同時に,無制限に面接の時間があるわけでないという状況をつくりだせば,その時間帯の中で,必要なことをしっかりと話し,