学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-052/222page

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2) 気持ちを中心に

リピートは相手を理解するために行うものである。相手は」悩みをもっており,その悩みを何とか解決したいために相談を求めているのだから,当然,リピートは気持ちが中心にならなければならない。

たとえば,「あの人は,すぐに言いわけをするので,それがしゃくにさわるんです」と言った時,それを受けて,「そうですが,そんなに言いわけが多いんですね」とやったのでは,形としてはリピートになっていても,相手の心にせまるものは何もないのである。

そこで,

「そうですが,あなたには,その人の言いわけが我慢ならないのですね」とリピートしてやるべきである。

なお,気持ちについてリピートした時は,必ず相手の声の調子や表情などに注意をすることである。正しくリピートできた時は,明るい,おだやかな表情,生き生きとした調子になるものである。このことから,リピートを通じて,正しく心にせまっているかどうかの判断ができるのである。

3) 反射・明確化として

リピートは相手の心の鏡になる働きがある。

鏡のように反射してみせることが反射であり,本当の気持ちがはっきりわかるようにしてやるのが明確化といってよいであろう。相手が複雑な感情で屈折しているような場合,リピートは大いに反射や明確化の役割を果たしてくれている。

4) 弱さの肯定として

リピートでは,弱い心について訴えても,それをごく自然に受容してやるのがよい。

たとえば,「勉強はもうたくさんだから,就職した方がよいと思っているのですね」のように受けとめても,そのこと(学校をやめること)を決してよくないとは非難してはならない。

リピートで弱さを積極的に肯定したとしても,「それでよいのだ」とまでは言わないことは,人間として,弱さの克服が必要になった時,強い心を


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