学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-053/222page

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発揮することができるという事実までも否定することになるからである。

(3) 面接を成功させる手がかり

面接は相手の話に耳を傾け,必要なところでリピートを入れながらすすめていくのが普通である。だが,こんなことで果たして変容が期待できるのだろうかという,疑問が生ずるかも知れない。

また,はじめのうちは,リピートを入れながら面接していても,知らないうちに,説得的になっている場合がある。このような疑問を解決し,過ちをしないために,成功させる手がかりを知っておく必要がある。

1) 緊張がほぐれ,話し方がなめらかになる

受容されないうちは,不安や恐れをもちながら,相手は話をしていることが多い。ところが,リピートによって受容され,何を話しても心配がないとわかってくると,緊張がほぐれ,話し方がなめらかになってくる。こうした変化から,面接が進展している時,リピートは成功していると判断してよい。

2) 否定的な面より肯定的な面の話が増えてくる

初めのうちは否定的な面,たとえば,「自分はだめだ」「周囲の人は少しもわかってくれない」などと,どんどん話をするものである。そのうち,気持ちが落ち着いてくると,反省的になり,肯定的な面についての話を始める。

そうなったときに,

「それはよいところに気づいたね」

といって,励ましてやれば,積極的な感情の受容になるのである。

3) すすんで解決の方法について考えようとする

相手が自分をとりまく周囲の人の立場に立って,ものを考え,課題解決の方向,努力の必要な方向がはっきりしてくると,次には,具体的にどうずればよいかについて考えるようになる。こうなれば,あとは決断し実行するのを見とどけるだけである。

なお,この場合においては,

「そこのところは,こう考えると,もっとよくなると思いますよ」


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