学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-054/222page

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「そこのところは,こんな手もありますよ」などと,情報提供してもよい。

5.自立を促す段階

面接は,子供自身が直面している課題に自力で立ちむかい,実行するようにならなければその意味がない。そこで,どのようにして自立を促すかについて考えてみよう。

(1) 一緒になって考えること

「何を話してもかまいませんよ」,「一緒になって考えてみませんか」といって,相手の主体的な努力を促し,まちがっても「私があなたの問題を解決してあげますよ」といってはならない。なぜならば,主体的な努力を促すことから自立の道はひらけるからなのである。

(2) 進歩を認める

初めは否定的なことばかりであったのが,だんだんとものごとの肯定的なところを認めるようになってきたら,

「初めのころより,随分気楽にお話できるようになったね」

「初めは不満ばかり言っていたけど,だんだんどうずればよいか,考えられるようになったね」

などといってやる。これによって,自分の変化に気づかせること,それが他の人にもわかることだと知らせることは,勇気づけになるからである。

(3) 課題の解決に気づかせる

話題がなくなって雑談的なことを話し始めているのに気づかないことがある。このような場合は,

「もう,自分でなんとかやれそうだと思っているのではないですか」

といって,課題はすでに解決していることに気づかせ,相手に主体性をもたせるようにするとよい。

(4) 発展が認められなくなった時

時として,あるところまではよくいくのだが,それからさきは少しも進まないことがある。この場合は,次のようなことが考えられる。

1) 現実との対決をおそれる


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