学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-055/222page

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現実と対決する心の準備ができていないと,なんとかなるだろうと自分に都合のよい方へ解釈しようとし,主体性が失われていることに気づかないのである。従って,繰り返しおかれている状況を整理してやり,考えがさきに発展するように助言してやる。この助言も,ためらいがあって前に進めないでいるのだと考え,あせらずに根気よく取りくみたいものである。

なお,時間がかかりそうな場合は,未解決のまま残された問題を整理してやり,そのうえで,次回までに考えてくるようにさせるとよい。

2) 抵抗として

避けて通ろうとしてきた厳しい現実に目を向けさせるようにしむける(気づかせる)カウンセラーに,しばしば,不満や敵意をいだくことがある。

カウンセラーとしての基本的態度に落度がなかったかどうかを反省し,場合によっては,自分にも限界があることを率直に認めなければならない。その率直さが,人間が人間に頼ろうとする以上,お互いに努力をすることが大切なことだという自覚をよびおこすのである。だから,このこと自体がすでにすばらしいカウンセリングになっていることを,あらためて考えたいものである。

6.面接で使う言葉

面接で使う言葉には,

弱い調子:沈黙,受容,くり返し

中度の調子:要約(整理),是認(激励),誘導,仮の分析,解釈

強い調子:説得,拒否,保証,命令,新しい問題への導入

などがある。

どんな言葉を使うにせよ,受容的に接し,威圧的な態度は厳につつしまなければならない。

表4 面接に使う言葉の例

  言葉の具体例 運用例ならびに注意
  ○「なるほど。」 ・面接の初期ではこれが中心と


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