学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-058/222page
第8章 よりよい面接のために
第7章では,面接のすすめ方について述べたが,ここでは,具体的な面接の例から,よりよい面接について考えてみたい。
1.最初のやりとり
先生1 君,どうしたんだ。この間の中間テストの結果は,ずい分ひどかったんじゃないか,こんなんじゃしょうがないぞ,え!
生徒1 すみません。勉強しなくてはいけないとわかっているんですが,時々,もう,完全に参っちゃって,もう,このままじゃ気が狂っちゃうんじゃないかって思って,勉強もなにも手がつかなくなってどうしていいのか,自分でもわからないんです。
先生2 今がどういう時期か,わかってるだろう。もうすぐ期末試験があるっていうのに,一体どうなつちゃってんだよ?スランプってのは,だれにでもあるもんだよ。そんな時こそ,自分で自分をコントロールしなくっちゃ。もう子供じゃないんだし,そのくらい,何とかならないものかねえ。
生徒2 ええ,そうなんですけど,まわりのことが気になるっていうか,ぼんやり考えこんじゃって,時間ばかりたっちゃって。
先生3 気分転換が必要なんだよ,気分転換が。散歩するとか,何かそういうことでもすれば,集中力もつくもんだよ。
生徒3 そうですが。
先生4 君は今まで,まあまあだったじゃないか。こんな成績をとるなんて,一体,どうなってるんだ。2年生ってのは,まだ受験のことがピンときてないのかもしれないけど,中だるみしているのか?ぼんやりっていうけど,少しはやれたんだろう?
生徒4 ええ,それが全く手につかなくて。
先生5 しかし,君は,家の仕事を手伝ったりということもないんじゃないか?それで,全く手がつかないってのは,甘えているんじゃないか?