学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-076/222page

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値するものがある。

また,日記・作文等により,子供の悩みを掘り起こし,問題を早期に発見し,それが解決への糸口へとつながっていっていることも見逃してはならない。

以上,五つの面から,問題行動の発見のしかたをみてきたが,あくまでも,教師の観察と面接が何にもまして重要である。

教師が,登校時・授業・休み時間・昼食・清掃・部活動・学校行事・下校時など,学校生活を中心としたあらゆる場面で,ひとりひとりの子供に目をむけ,心を配ること,これが問題行動発見のポイントになるのではなかろうか。

そして,「いつでも」,「どこでも」,「だれでも」が気軽に子供に接することができれば,それが,子供の理解・援助へ自然につながっていくのである。

4.問題行動の診断

(1) 診断の原則

問題行動が早期に発見されたなら,早期に指導体制をつくり,子供への指導援助にうつらなければならない。そのためには,問題行動の正しい診断がなされることが必要となってくる。なお,ここでいう診断は,医師の行う診断とは異なり,教育的な配慮にもとづく指導仮説であることを,特に断っておく。

従って,問題行動の診断は,その子供についての全資料を通覧し,これを分析総合して,当該問題についての一貫した客観的な,しかも,教育的な配慮にもとづく所見をくだすことである。

その内容には,次のものが含まれよう。

 ○ 問題行動の把握(症状診断)

 ○ 原因の究明(原因診断)と問題発生のメカニズムの考察

 ○ 今後の見通し

(2) 診断の具体的なすすめ方と実践指導

 1) 問題行動に関する資料を集める。

 ・発達的特徴(知能・学業の程度)


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