学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-132/222page
状を示すわけであるが,症状も原因と同じように,本人の年齢,性格傾向,情緒の成熟度などによりその表出の仕方も違ってくるものである。
ここでは,神経症的登校拒否の一般的な経過についてのべることにする。
1) 心気症的段階
最初は,頭痛,腹痛,下痢,叶き気,身体のだるさなどの身体症状を訴えるが,医師に診てもらっても別に異常はない。午後になったり,友達が学校から帰るころになると元気になり,夜は学校の支度などをして行く気配をみせるが翌朝になるとまた同じことをくり返す。
○心理状態―登校拒否が深刻化する場合は,親の態度にも問題があると同時に,本人のパーソナリティにも問題がある。理屈では説明しにくい神経症的な行動におちいり,自分でそこからはいあがれなくなる。
2) 攻撃的段階
身体的に病気でないことがわかり,親が登校を強要すると親に対して種々の抵抗をする。いくら起こしても起きないのが普通であるが,低学年であると,便所に入って出てこなかったり,玄関の戸や柱にしがみついて泣き叫ぶ。中学生以上になると,親に暴力をふるったり,フスマや家具をこわすなどの乱暴をするようになる。学校のことにふれなければ,おとなしくテレビをみたり,プラモデルをつくったり,自分の部屋で本を読んだりしている。
○心理状態―学校に行きたくても行けない自分のみじめさを強く感じると同時に,このような状態に追いこんだ両親への反抗の気持ちを抱く。自主性の発達が遅れているので自分で解釈する方法を持っていない。
○精神病との区別第三者かいるときは暴れない。・攻撃の対象は,両親,兄弟,祖父母などにむけられる。・興奮がおさまった時には常識的な話し合いができる。
3) 自閉的(内閉的)段階