学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-133/222page
親が登校させることをあきらめると,小学生では毎日家の中で遊んだり母の仕事を手伝ったりする。中学年以上なると,夜と昼の生活が逆転して昼ごろまで寝ていたり,自分の部屋にとじこもり家から一歩も出ないようになったりする。
〇Aタイプ―一人で好きなことをして過す。
〇Bタイプ―母親のそばにきて話しかけたり,自分の相手をするようにせがんだり,気分のよい時には母親の手伝いをする。
〇心理状態―自我の成長や発達にとって必要な段階をとびこえて歩かされたために,もう一度過去にもどり,十分力をたくわえ,一歩ずつ階段を自分でのぼっていくために必要な時期と生活である。
4) 回復段階
ア 前半期
〇自分で食事をつくるようになる。(インスタント食品など)
○起床時間が午前中になる。
○健康管理をはじめる。(なわとび,ジョギング,入浴など)
○身だしなみに注意を払う。
○自分の部屋の整理・整とん,掃除などをする。
○両親と話をするようになる。
○学校の話をしてもこだわらなくなる。
イ 後半期
○母親の手伝いをするようになる。
○学校の話をしてもこだわらない。
○外部との交渉をはじめ,外出することが多くなる。
○心理状態―人にはそれぞれのペースがある。ありのままの自分をみつめ,弱いところも,醜いところも率直にうけ入れるようになるととらわれていた自己から解放され,気分的にも楽になり,今までの学校へ登校できるようになる。