学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-138/222page

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イ 親子関係診断テスト

父親一危険地帯:不一致

母親一危険地帯:積極的拒否,不一致

    準危険地帯:消極的拒否,不安,期待,矛盾,溺愛

総合的な解釈

ア 親の強い枠組の中で「いい子」として育ってきたために,自我が未成熟で,社会的適応力も乏しく,外界に対する不安が大きい。

イ 理想自己と現実自己との葛藤の中にあり,防衛機制を適切に働かすことができず,情緒のコントロールがうまくいかない状態にある。

ウ 欲求不満への耐性が弱く,現実面から逃避している。

(5) 診断

 1) 「いたずら」,「第一反抗期」,「けんか」の体験の少ない生育史から,親の強い枠組の中で「いい子」として育ってきたために,自立心が弱く,社会的適応能力も低い。

 2) 高校入学後,自我が未熟なために,青年期の発達課題の「両性の友人との新しい成熟した人間関係」,「両親や他のおとなからの情緒的独立の達成」,「行動を導く価値感や倫理体系の形成」に挫折し,対人不安に陥り,孤独傾向をおびた神経症的登校拒否(Aタイプ)を引きおこしたと思われる。

(6) 指導方針

 1) 本人に自律訓練法を用い情緒の安定を図る。また治療的カウンセリングを続け,自己洞察を図り,自我の成長をうながす。

 2) 友だちとの遊びを楽しむ態度や技術を助長する。

 3) 集団・グループ場面などで社会的技術や態度を訓練する。

 4) 拒否,不一致,矛盾,不安などの養育態度を改善する。

(7) 指導経過


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