学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-148/222page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

この方法における長所と短所をまとめると,次のようになる。

〈長所〉

 ○ 個人理解が科学的,しかも,客観的な態度でできる。

 ○ 原因の診断が仮説的になされ,指導方針が出てくるので,的確な指導ができる。

 ○ 現場の教師の態度や,医師の態度に似ていて利用しやすい。

〈短所〉

 ○ 資料の収集に労力がかかりすぎる。

 ○ 資料から一方的に診断をみちびきやすい。

 ○ 面接は,よい関係の樹立や相手の洞察を促進することより,資料収集のための面接になりやすい。

 ○ 診断はできても,指導になると別で,こちらの思うように指導効果のあがらない場合がある。

要するに,事例を客観的・総合的に理解し,問題行動と原因との因果関係をおさえて指導する点ですぐれているといえよう。

(2) カウンセリング的な方法

子供等に対して,直接,カウンセリングの態度で会い,カウンセリングを通して理解しようとする方法である。主なねらいは,子供の気持ちをあるがままに理解し,受け入れ,共感的な関係をつくることにおき,理解しあえる関係を通して,子供が自分に気づく(自己洞察),自分の態度を変えていく(自己受容)ことを目指すのである。即ち,理解してから指導するということではなく,理解していく過程がそのまま指導につながっているのである。

この方法における長所と短所をまとめると,次のようになる。

〈長所〉

 ○ 子供や親が,今,まさに感じている心理的な事実(感情や認知)が理解でき,ダイナミックな人間理解ができる。

 ○ 理解しようとして話を傾聴することが,そのまま指導(相手の変容)につながっていく。

 ○ カウンセリングの態度さえ,身についていれば,いつでも,どこで


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。