学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-154/222page

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にかけなかった自分の感情・気持ちを参加者に伝えるようにする。

 6) 提案者として,迷っていること,悩んでいる気持ちを率直に出すように努めたい。防衛的な立場をとり,自分の気持ちを率直にあらわさないで,参加者より助言や意見を求めようとしても,内容的なふかまりは期待できるものではない。

(4) 参加者の心がまえ

 1) 事例提供者に役立つように意見をいわなければならない。提供者は参加者に理解してもらえるような資料を準備しているのである。その苦労にむくいるためにも,後でためになったと思われるような意見を出したい。

 2) ひとりで長時間しゃべらないことも忘れないで実行したいものである。限られた時間帯をひとりじめするのは,いつまでたっても,事例内容の解明に役するものではないことを銘記しておきたい。

 3) 自分が過去に取り扱ったと同じような事例であると,表面的な現象で即断し,解決をせまろうとしやすい。しかし,同じようであっても,まったく同じということはあり得ない。自分の事例を話すことによって,ウェイトがこの事例の方にかかり,「いま,何が一番問題なのか」の焦点がぼけないようにしなければならない。

 4) 資料に出ていないことを,あまり勝手に発言しないようにすべきである。大切なことは,いま,ここに提出されている事例について協議をしていくのであるから,出された事例に即して発言する態度が必要なのである。

(5) 司会者の心がまえ

 1) できるだけ,参加者が発言できるように自分の発言をひかえるようにしなければならない。

 2) 初めはなかなか発言はないものである。それがわかっていても,発言がないと,つい,しゃべり出してしまいやすい。なかなか発言がない時,どのくらい待てるかということは,相談の場合と立場が同じであると思う。沈黙の意味を理解することにより解決の道は求められるはずである。

 3) 司会者はできるだけ発言者を指名しないことである。指名していくと,司会者中心となり,参加者はどうしても受動的になり,問題意識のない


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