学級担任・H・R・Tのための学校教育相談入門-209/222page
は,人間の基本的生命力(エネルギー)は2つの方向に向けられていると説いた。1つは外界(環境)であり,他は内界(自我)である。前者の場合を外向性といい後者の場合を内向性といっている。さらにこの2つの型のいずれも,合理的な過程としての思考と感情,非合理的な過程としての感覚と直観の4つの形式に分けられると考えて,けっきょく,これら4つの精神過程による分類と,外向性一内向性との組み合わせから人の性格を次の8つの型に分類している。 1)外向的思考型, 2)外向的感情型, 3)外向的感覚型, 4)外向的直観型, 5)内向的思考型, 6)内向的感情型, 7)内向的感覚型, 8)内向的直観型
さ 催眠療法
一種の暗示療法で,他の人から催眠をかけてもらって催眠療法を行う方法(他者暗示)と,自分自身で暗示をかけて行うもの(自己暗示・自律訓練法など)とがある。催眠状態において,今までの精神的な葛藤を発散したり,暗示によって治療するもので,神経症や心身症などの治療に有効である。また心理リハビリテーション・学習・体育教育等にも成果をあげている。なお催眠の誘導は次の1)〜8)の順序で行われるのがふつうである。 1)催眠に対する動機づけ, 2)不安や誤解の除去, 3)被暗示性テスト, 4)心身の緊張をとりのぞく, 5)注意の集中, 6)誘導指示を与える, 7)催眠の深化, 8)覚醒
し 自我の未熟
自我の発達は,身体的自我の知覚に始まり,子供は,漸次自我意識を発達させるが,3歳前後には自分で考え,選択し,行動する傾向が強くなり,主体性とかかわりのある自我が発達し始める。主体性は,自主的な性格形成のもととなる重要因子であるが,発達過程では反抗として現れるので,反抗期にはとくにその行動の理解が必要である。
社会性の発達に伴い,子供は社会的基準に従うことに意義を見いだすようになり,自己決定した価値基準に基づく客観性にかかわりのある自我を形成し始め,それを実現しようとする。価値基準は発達につれて高度となり,実現に際しては,自己統制が必要となるので,発達段階に応じた行動基準を与える養育態度が必要であり,それにより耐性を養うことが重要である。以上の自我の発達段階に比して,年齢にふさわしい発達をとげていない場合をいう。