親と教師の教育相談室-006/201page

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6.チック症とは
【問い】6歳の男の子ですが,入学してから,目をパチパチさせたり,肩を上げたりするのが目立つので,医者に診てもらったら「チック症」といわれました。心因性とかで,親の養育態度にも問題があるといわれましたが,具体的にどうずればよいのか教えてください。

【答え】急に目をパチパチさせたり,頭をふったり,鼻をならしたり,奇声を発したり,首や肩,手足をピクッと動かすなど上半身に起こることの多い,自分の,意思ではどうにもならない筋肉運動をチックというのですが,カナーという学者はこれを「突然起こり,不随意的に頻繁に繰り返される速い運動」と定義しています。お子さんの年ごろに現れることが多く,チックになる前から1)「一時もじっとしていられない,活動的すぎる,どちらかというと衝動的な行動の目立つ子ども」であり,それに2)「引きがねとなる身体的または,情緒的体験」が加わり,さらに3)「チックに親が反応してチックをやめられなくさせている」場合が多いようです。従って,担任の先生と話し合って2)のようなことが,学校でなかったかをお聞きするとともに,チック症に特徴的な母子関係といわれる神経質,情緒的な不安定,攻撃的傾向がなかったか,とか,父,母,子の人間関係に不十分な点はないかなどを検討し,1)3)について思い当たる養育態度があれば,両親が協力し合って家庭内の人間関係の改善に努め,子どもには,チックがあったってどうということはないのだ,といった自信を持たせるようにしたいものです。


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