親と教師の教育相談室-012/201page

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12.受験期を迎えてひんぱんに下痢する子
【問い】受験期を迎えた中学3年の娘が,ここ3ヵ月ばかり下痢が止まらず困っています。近所の医者には「気持ちの問題です」といわれたのですが,とても不安です。どうずればよいでしょうか。

【答え】お医者さんが「気持ちの問題です」といわれたことから考えて,神経性の下痢で,思春期に多い過敏性大腸症候群の下痢型だと思います。この症状は,大腸が細菌などに冒されて起きるものではなく,悩みや不安が重なったり,食べすぎなどのために,大腸のはたらき具合が悪くなって起きるもので,なかなかなおらず,本人ばかりでなく,家族の方々まで不安になってしまうものです。
この症状には,2つの要因がからまり合っています。
第1は,症状を起こすきっかけになる要因で,お子さんの場合は,受験に対する不安,夜食の食べすぎ,精神的な不安,いらいらを食べたり飲んだりで落ちつかせようとするなど,受験生特有の心理や生活の仕方が考えられます。
第2は,症状を長続きさせている要因で,子供のころから自家中毒や消化不良で病院に行くことが多かったり,自己中心的で,物事にこだわりやすい内向的な性格であるなど,成育上の問題が考えられます。
まず,第1の要因を除くことから始めてください。飲みすぎ,食べすぎはしない。受験の不安は,だれでもいだくものだということをよくわからせ気持ちを安定させることです。次に,性格や成育上の問題ですが,これは時間をかけて改善する以外に方法はないと思いますが,ご両親が協力して,干渉しすぎない,思春期の問題を自分の努力で乗り越えるよう援助し,自主性を育てるとともに,家族みんなで会話の機会を多くするよう心がけてください。


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