親と教師の教育相談室-013/201page

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13.体臭に悩む男の子
【問い】中学校3年になる息子が,自分の体が臭くて友達がうわさをしたり,自分を避けるようにするので学校に行きたくないと言い出し学校を休んでいます。母親からみれば,体臭が強いとも思えません。どのように言いきかせたらよいのでしょうか。

【答え】思春期にある子供は,一般にホルモンの分泌が盛んになり,動きも激しくなることから,発汗量も多く,体臭が強くなることがふつうです。
問題は1)本当に異常なほど体臭があり,周囲の人たちに不快感を与えるのか2)子供が必要以上に体臭を気にしすぎるのか3)学校に行けない理由づけをするために言っているのか,ということをみきわめて正しく子供に接することだと思います。
1)の場合は,専門医に診てもらい薬物療法を行うことが必要でしょう。しかし問いからみて該当しないように思われます。多分,思春期の子供に多くみられる,直接的・心因的なきっかけもなく,自分が臭い,他人が自分を避けるという考えや,とらえ方が確信的体験となる体臭恐怖症といわれる2)の場合ではないかと思われます。もしそうだとすれば登校拒否をおこす要因になることも考えられます。
一般に思春期妄想といわれるものは,自分の身体のある状態が他人に影響を与えることを自責的に悩み,そのことが関係妄想としていろいろな面に恐怖となってあらわれるところに指導のむずかしさがあります。
まず子供のもっている不安を十分にきいてやり,過度の緊張や,こだわりを解くことに心がけ同時に専門機関での相談をおすすめします。


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