親と教師の教育相談室-030/201page

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29.4歳児の正しい発音の指導は
【問い】4歳の娘は「さかな」を「ちゃかな」というように,いまだに「サ行」を「タ行」化して発音しています。どう教えたら正しい発音が覚えられるでしょうか。

【答え】「さくら」が「たくら」というようにサ行がタ行化し,ある種の構音のおくれが残って幼児独特の発音が目立つ場合,この発音を幼児音と呼んでいます。原因は多様ですが,まず耳鼻咽喉科で,のど,聴力,舌などに異常がないかを調べてもらい,異常があれば医学的治療をすることが必要です。
なんら異常が認められないときは発音を間違えて覚えた習慣性によるものとして,発音の練習で直すことです。その方法は口形(口の開き方)をとり「サ」の音は,はじめから舌が離れてくちびるは縦長形というように「サ」の開き方と「タ」の開き方の違うことを教え,これを練習することです。鏡に向かって根気よく練習することが大切です。一音一音いわせてみると異常は感じられませんが,3音以上になると音が変わってしまう例が多いので注意してください。
また,幼児音を話す子どもは母親に対する依存性が強く,情緒的に未熟な場合が多いようです。一方,母親は過保護な傾向を示し,幼児音のまま受け入れを固定化してしまう傾向があるようにみられます。
なお,幼児音を直すことはどもりより日数がかかるといわれますので,気がついたらできるだけ早く訓練をすることが必要です。さらにお友だちと遊んで言葉の数を増やすことも一つの方法です。8歳ごろまでには正しい発音ができるようになるでしょう。ともかく母親の熱意と努力が一番大事なことです。


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